アスペルガー大学生

略歴:1999年生まれ。北海道出身。東京に住んでいたこともある。中学校2年生のときに自閉スペクトラム症(ASD)、社交不安障害(SAD)と診断される。2022年現在診断名はアスペルガー症候群(ASD)のみであり、スキゾイドパーソナリティ障害の可能性もあると考えている。小学生時代に2度の引っ越しと両親の離婚を経験している。一年の自宅浪人を経て北海道大学に入学する。2018年2月28日からアマゾンkindleに電子書籍配信。Twitter:@ShotaroKindle

発達障害は非常に統計学的な側面が強い【相関関係と因果関係は違う】

 

 

数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う

 

数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う」という言葉がありますが、

 

相関関係と因果関係を混同した、または意図的に因果関係があるように見せた話は昔からあります。

 

  • 本を読むほど年収が上がる
  • 大学ランキングとその卒業生の年収は比例する
  • 性犯罪とアニメ・マンガ・ゲームは相関関係にある
  • 国民のチョコレート消費量と国別ノーベル賞受賞者数は比例関係にある・・・

 

みたいな話、一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 

このような相関関係と因果関係を皮肉った有名なジョークもありますね。

 

「相関関係」と検索すると「相関関係と因果関係」についての記事がすぐに出てきますし、頭では分かっている、聞いたことはあるという人も多いのではないでしょうか。

 

でも、いざ実際に因果関係があるかのように話されると、騙されてしまう、誤った情報を信じて広めてしまう、次に紹介するDHMO(ジハイドロジェンモノオキサイド)のように不安を煽られるとつい信じてしまう。これは科学リテラシー、ネットリテラシーの面からも常に意識しなくてはならないでしょう。

 

科学リテラシーに関するジョーク・コピペ

 

犯罪者の98%はパンを食べたことがある

 

  • 犯罪者の98%はパンを食べている
  • パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である
  • 暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている
  • パンは中毒症状を引き起こす。被験者に最初はパンと水を与え、後に水だけを与える実験をすると、2日もしないうちにパンを異常にほしがる
  • 新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる
  • 18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、平均寿命は50歳だった
  • パンを食べるアメリカ人のほとんどは、重大な科学的事実と無意味な統計の区別がつかない

 

ジハイドロジェンモノオキサイド(DHMO

 

DHMOとは、

水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
温室効果を引き起こす。
重篤なやけどの原因となりうる。
地形の侵食を引き起こす。
多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。
その危険性に反して、DHMOは頻繁に用いられている。

工業用の溶媒、冷媒として用いられる。
原子力発電所で用いられる。
発泡スチロールの製造に用いられる。
防火剤として用いられる。
各種の残酷な動物実験に用いられる。
防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後も産物はDHMOによる汚染状態のままである。
各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されている。

出典:DHMO - Wikipedia

 

のことです。

 

カップラーメンは危険?

 

 ラットによる実験では、ラットをラーメン内に入れると87%の確率で溺死する。
カップラーメンを食べた人が将来200年以内に死亡する確率はほぼ100%。
凶悪犯がカップラーメンを購入する確率は、同じ犯罪者がアフガニスタン国債を購入する確率よりはるかに高い。
カップラーメンを気管に入れると咳嗽反射が起こり、最悪の場合窒息により死に至る。
カップラーメンを食べながら自動車を運転した場合、重大な人身事故が発生するおそれがある。
健康な成年男子にカップラーメン1個のみを与えて長期間監禁した実験では、被験者の99%が50日以内に死亡した。
電化製品をカップラーメン内に入れると、破損するおそれがある。
25年間保存されたカップラーメンは有毒である。
カップラーメンを作る際に火傷をした人の85%は、カップラーメンがなければ火傷はしなかったと述べている。
米国では倒壊したカップラーメンの入ったコンテナの下敷きになって人が死亡した事例が報告されている。

出典:https://blogs.yahoo.co.jp/kiraly/3288412.html

 

 

発達障害者の98%はパンを食べたことがある

 

発達障害に関するものでも

 

 

 といった話題がありますね。

 

 でも相関関係がある、Aが多いとBも多い、逆にAが少ないとBも少ないからと言って

 

「Aの原因はBだ」とは言えない。

 

同じように、

 

  • 自分はASDだから~である筈だ
  • ADHDには~な傾向があるとされているから~な人はADHD
  • ADHDチェックリストに多く該当するから自分は発達障害に違いない

 

というのも危険な考えでしょう。

 

発達障害精神障害統合失調症は、日常生活においては遺伝学的観点よりも

「傾向」をもとに判断することが多い。

 

だから発達障害は非常に統計学的な側面が強い」といえるのではないだろうか。

 

そのような点では、「発達障害は概念に過ぎない」という意識も持った方がいいのでは、と考えております。

 

 

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 画像:https://iwj.co.jp/wj/open/archives/242962

 

例として挙げさせて頂いたこの記事は2015年と比較的古いものですが、この図だけを見ると単位面積当たりの農薬使用量と自閉症などの発達障害有病率には偶然とは思えない関係があるように見受けられます。別にこの記事が正しい、または間違っていると言いたいわけではありません。

 

まとめ

  • 発達障害発達障害であると断定することは難しく、統計学的側面が強いといえる。
  • 悪意はないとしても「発達障害の原因は○○だ!」「こうすれば治る!」という商法に利用されたり風評被害になりやすいといえる。
  • 発達障害者が社会的弱者である以前に「発達障害統計学的な側面が強い」ことが風評被害になりがちな原因の一つであるといえるのではないだろうか(あくまでも個人的見解です)。