KDPで電子書籍を自己出版しました
新しいkindle書籍を出版しました
題名:発達障害ライフハック: マクロに見るか?ミクロに見るか?
文字数:24298文字
kindle書籍出版は今回で「6冊目」となります。他の電子書籍についてはこちらをご覧ください。
自分の読んだ本が巡り巡って全く知らない世界の人に渡ったりすることから、本は「ボトルメール(メッセージ・イン・ア・ボトル)」と比喩されることもあります。
僕が初めて電子書籍を出したときも、手紙をつけた風船を飛ばしたような心が躍るような、自分の存在が大きくなったような気分になったのを覚えています。
自分で書いた文章を本にすることはブログやSNSとは違った面白さがあると改めて実感しました。
ブログを電子書籍化する
今回は「はてなブログ」の過去記事をベースに加筆修正、編集したものを出版してみました。
出版とは言っても「費用ゼロ」で、やろうと思えば数時間で出版手続きは完了してしまいます。一度アカウントを作ってしまえば2冊目以降は10分で出版できます。
ということで、今回は無料セルフパブリッシングサービスである「Kindleダイレクトパブリッシング(KDP)」について紹介したいと思います。
kindle書籍を出版する人がやるべきこと
SNS・ブログ
むしろSNS・ブログをやっている人が電子書籍を出版するというのが一般的だと思います。SNSやブログなど自分で宣伝する手段を持っていない方は、例え内容に自信があったとしても殆ど認知されることはないでしょう。特に小説・ライトノベルは有名人でもない限りほとんど読まれることはない、というより誰にも気づかれないそうです。
僕は浪人期にKDPのことを知ったわけですが、自分は逆に電子書籍出版がきっかけでSNSやブログに興味を持った人間です。
そもそもSNSなどをやっていないと「どんな情報に需要があるのか」ということが分かりません。僕が以前出した「アスペルガーの日常」「アスペルガー症候群の子供たちへ」「アスペルガー大学生」のジャンルを挙げるとするならば「体験記」となりますが、Twitterを始めたことがきっかけで発達障害当事者である自分の体験記、診断から大学受験までの軌跡、といったことにある程度需要があるということに気づいた、というのも大きいと思います。
結果的に情報を自分に結び付ける意識が高まり、世の中への関心が高まったともいえるでしょう。
著者セントラルに登録してアマゾンに著者ページを作る
「著者セントラル」に登録することでアマゾンにいわゆる「自分のホームページ」が作れます。例えば偶然商品を見つけた方が著者名をクリックしたときに著者ページがあるかないかでは印象が全く異なるでしょう。信頼度も上がりますしメリットしかないと思います。また、著者に同姓同名がいたりペンネームがシンプル過ぎたりすると、どれが自分の本なのか分かってくれない、という側面もあります。意外にもこういう例は結構見られますね(例:ペンネームがアルファベットのみだと著者名をクリックしても関係ない本ばかり出てくる)。
電子書籍を自己出版した方は是非「著者セントラル」に登録しましょう。「20歳以上しか登録できない」という情報も目にした記憶がありますが、僕は当時未成年でしたが登録出来ました。一つのアカウントで最大3つ作成できます。ペンネームを使い分けている方は別々の「著者ページ」を作ることが出来ます。僕は実名を出さないとモチベーションが維持できない、というか出す意味がないと考えているので本名のページ一つだけです。
著者セントラルでは、著者ご自身や著作に関する最新情報を掲載した著者ページを作成し、何百万人もの読者と共有することができます。作成した著者ページは、Amazon のサイトに著者のホームページとして表示されます。 作品を読者に見つけてもらいやすくするには、著者セントラルのアカウントで作品を追加しましょう。
著者ページには略歴の他、写真(最大8枚)や動画(AVI、FLV、MOV、MPG、WMV、MP4:500MBまで)もアップロードすることが出来るそうです。しかし、電話番号、住所、URL、メールアドレスや「○○万部突破!」といった文言は禁止されています。これはKDP作家の方ではないですが、商品出品者の中には「商品の説明」欄にURLを載せている方もいらっしゃいます。これは完全にアウトです。ほとんど黙認されているようですが、KDPの場合だと「販売停止」や「アカウント凍結」になる可能性も考えられるのでやめた方がいいでしょう。
無料キャンペーンを実施する
日本(Amazon.co.jp)だと利用できるプロモーションプログラムは限られていますが、「無料キャンペーン」は数少ない利用できるプロモーションです。
※先ほど紹介した著者セントラルはアメリカ(Amazon.com)イギリス(Amazon.uk)ドイツ(Amazon.de)フランス(Amazon.fr)日本(Amazon.co.jp)が利用できます(2019年8月現在)。
※KDPセレクトに加入した特典の一つに割引キャンペーン(Kindle Countdown Deals)があるがアメリカとイギリスでしか対応していない(2019年8月現在)。
【重要】アマゾンkindleの印税収入(ロイアリティ)について
電子書籍を Kindle ストアの独占販売にすることで利用できる「KDPセレクト」はどこの国でも登録できますが、得られる特典には差があります。登録費用は無料でKDPセレクトにするかどうかは作品ごとに選べます。日本では
- ロイアリティを70%に出来る(ただし価格は税込み250~1250円に限る。通常は99円~20000円。KDPセレクトでも250~1250円でなければロイアリティは35%)
- Kindle Unlimited 及び Kindle オーナー ライブラリーのロイヤリティが発生する
- 無料キャンペーンを実施できる(1作品につき3か月に5日まで行える。5日間連続でなくても良い)。
といった特典があります。
その中でも「Kindle Unlimited(KU)及びKindle オーナー ライブラリー( KOL)のロイヤリティ」は一番謎に包まれたシステムだと思います。
「KU 及び KOLのロイヤリティ」とは2016年8月3日に始まった定額読み放題サービス「Kindle Unlimited」利用者が読んだ電子書籍のページ数に応じて毎月決められる「KDP セレクト グローバル基金※」からロイアリティが分配されるというものですが、よく分からないのはその算出法「KENPC」です。
※2019年6月の「KDP セレクト グローバル基金」は「約 27 億 0,643 万円」とのことです(毎月メールで送られてきます)。
Amazon は、本のページ数をジャンルや端末、表示設定に関係なく計算するために、Kindle Edition Normalized Page Count (KENPC) という機能を開発しました。KENPC は、標準の書式設定 (フォント、行の高さ、行間など) に基づいて計算されます。
つまり「Kindle Unlimited」は商品ページに掲載されているページ数ではなく、「既読KENP」で算出されることになります。ちなみに、画像や表もKENPCに含まれるそうです。
よく分からなかったので実験してみたことがありますが、改行を増やすだけでも「既読KENP」はある程度増やせてしまうことが分かりました。だからあまりいいシステムではないと感じましたね。改行が少ないと、文字数が多い本ほど損してしまうことになります。
ちなみに、今回出版した「発達障害ライフハック: マクロに見るか?ミクロに見るか?」は
紙の本の長さ: 84 ページ
となっていますが、KENPCは「137」となっています。
値段は今のところ「498円」に設定しているので一冊購入されたら「322円」のロイアリティが発生するとのことです。
【KDP】ロイヤリティの計算方法
- 35%のロイヤリティレート x (キャンペーン用希望小売価格-適用される付加価値税等) = ロイヤリティ
または
- 70%のロイヤリティレート x (キャンペーン用希望小売価格-適用される付加価値税等-配信コスト) = ロイヤリティ
1KENPCの価値を今までの履歴から計算してみると「0.5円~0.6円」でした。毎月決まった金額から山分けされるシステムなので、全体的にあまり読まれなかった月に自分の本だけ多く読まれると、相対的に1KENPCの価値が高まるというのも考えられます。調べてみると数年前に計算した他の人も大体0.5円だそうです。
【Kindle Unlimited】1KENPCの価値
(KU/KOL ロイヤリティ)/(月間KENPC)=1KENPCの価値
- 2018年3月:0.548
- 2018年6月:0.556
- 2018年9月:0.605
- 2018年12月:0.585
- 2019年3月: 0.500
- 2019年6月:0.515
つまり、今回出版した「発達障害ライフハック: マクロに見るか?ミクロに見るか?」 が「Kindle Unlimited」で全部読まれても大体70円、良くて80円しかもらえないことになります。
※僕の場合、通算のロイアリティにおいて「購入されたロイアリティ」と「KU/KOLの ロイヤリティ」の比率は「2:1」でした。
そう考えると「Kindle Unlimited」にはデメリットしかない印象を受けますが、「Amazonランキング」は購入だけでなく「Kindle Unlimited」を含めたダウンロード数で決まっているため、ランキング順位を上げて多くの読者に認知させるという点では意味があると思います。
多くの方に見られることで
「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
に表示されるというメリットもあります。
読者が好意的なレビューを書いてくださった場合は「検索順位の上昇」も期待できます。
僕の電子書籍を読んで下さった方がいらっしゃれば、レビューを書いてくださると大変嬉しいです。
追記:楽天Koboライティングライフ(KWL)からの出版は断念
今回は楽天Koboライティングライフ(KWL)からの出版も検討してみましたが、KDPセレクトが出来なくなることで失われるロイアリティなどを考えて断念しました。ある意味KDPの後発ということもありKDPの下位互換という印象を持ちがちでしたが、楽天Koboはポイントバックキャンペーンを頻繁に実施するらしく、楽天を使い慣れている人は検討しても良いと思います。
しかし、次の観点から楽天Koboはアマゾンkindleよりも最初のハードルが高めだなと思いました。
- KDPは「Word,HTML,MOBI,EPUB,RTF,TXT,PDF,KPF」といった多くの形式に対応してくれるのに対し、楽天はEPUB形式にしか対応していないこと(僕はWordで書いています。しかし、KDPでもEPUB形式でないと上手く表示されないことがあるそうです。)
- KDPは一円でもロイアリティが発生したら振り込んでくれるが、KWLは収益が10000円を超えないと振り込んでくれない(年に一度は振り込んでくれる)
他にも楽天Koboはロイアリティレートが70%でも独占契約とはならない、というメリットがありますが、どのみちKDPと独占契約を結んでいるのでKDPセレクトを解約するほどのメリットではないですね。もちろんKDPセレクトを解約すれば楽天などに出版することは可能です。
KDP、KWLの2つが有名どころだと思いますが、他にもiBooks Store(アイブックスストア)、BCCKS(ブックス)など無料セルフパブリッシングサービスは色んなところがやっているみたいです。
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